ノーズワーク・トレーニング (2) 次の二歩目

文と写真と動画:藤田りか子

前回のトレーニングから10日後、エヴェリーナさんとトゥルーラの元を訪れた。どれだけトゥルーラの匂いの刷り込みが出来上がっているのか、とても楽しみであった。エヴェリーナさんによると、「もうラインアップでは必ずにおいを探せる!」。というわけでまずはその技を見せてもらった。そして同時に次の段階に向けてどうやってステップアップを踏むべきか、少し指導をした。今回も全部で3セッションのトレーニングで成り立つ。ぜひ、前回の動画と見比べて欲しい。この10日間でトゥルーラは素晴らしく前進している!鼻をつけるときの自信も見モノ!

一見ターゲット臭を学習しているようにも見えるトゥルーラだが、あくまでもラインアップ上でのこと。犬は連想をしながらの学習が得意だから、それだけにラインアップを見たらターゲット臭を探す、ということしか実は覚えていないのかもしれない。将来ノーズワーク犬としてにおいを探せるようにするには、どんな変わった環境でも「ターゲット臭を見つける」という「般化」のプロセスが必要となる。しかしいきなりラインアップなしにターゲット臭を探させるというのは、ちょっと酷。なので、まずはラインアップの周りにターゲット臭の入った容器を置く。そしてライナップに依存しないように徐々に学習を進めていくことになる。以下の動画は前出のシーンから10分後の練習。

容器がラインアップの外にあると「動いて探す」という行動を助長させることができる。犬にとって、自分の興味のあるにおいを探す、というのはほとんど本能的な行動(猟欲の一要素)。なので、たいていの犬はターゲット臭がラインアップの外にあっても、数回のトレーニングですぐにこちらの意図を理解するようになる。「本来持っている狩猟行動をぜひここで活用してください!」というのが犬への私たちからのメッセージ。そしてノーズワークというスポーツはまさに「宝狩り」に他ならない。探して探して探しまくる!そして次の動画が最後のセッションだ。

みなさん、この動画ですぐにCOB(Change Of Behaviour チェンジ・オブ・ビヘイヴィアー)を確認することができただろうか?実は、トゥルーラがこれを見せた時に、私の方が興奮して鳥肌が立ってしまった!なんというか、トゥルーラにとっての最初のブレークスルーではないか。こうしてどんどんとゲームの意図を理解し始めるようになるだろう!

COBはノーズワークハンドラーとして犬を読む時に見逃してはいけないポイントだ。探している途中「あれ、この辺にあのにおいが!」と鼻がにおいの漂いをわずかにキャッチした際に見せる行動の変化ことを言う。ただし犬はCOBを見せながらも、時々他の臭源の方へ飛んで行ってしまうこともある。競技会の時に、COBを読んでいれば、犬が迷っていても「もしかしてあの辺に実はあったのかもしれない」とそこに戻り犬に探し当ててもらうこともできる。ノーズワークにおいて犬の仕事は、においを探すこと、そしてハンドラーの仕事は、そう、犬を読むことである。

トゥルーラとのセッションはまだまだ続きます。お楽しみに!

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