「ラッコなんでしょ?仰向けになって私を乗せてよ!」とアシカ。
さすが、ラブラドール・レトリーバーである。5ヶ月齢なのにこんなにさっさと泳ぎを覚えた子犬は初めてだ。もちろん、最初から水に悠々入っていったわけではない。湖に連れていったのは三回ぐらいだが、その三回目の時に投げた枝めがけていきなり泳ぎだしたのだ。
この意欲、どこから湧くのか、と考えるとまさにラブの持つ独特の物品欲に他ならない。アシカは普段から物をくわえては家の中をフラフラしている。ラッコもそれなりに物品欲が強いと思ったが、アシカにはさすがに負ける。物品欲の強さが「水怖いな」という恐怖を打ち消したといってもいいだろう。このように湧き上がる一つの感情を、もう一つの「意欲」が打ち消すことは多々ある。それが作業犬になれるか、そうではないかの決定的ポイントだとも思うのだ。怖いな、という感情は誰にも湧き上がる。しかし、それを打ち消す程何か別の強い意欲を持っているのか否か。多くの作業犬メンタリティを持っている犬たちは、「恐怖感情」をもちろん持っているが、しかし好奇心の強さがそれを打ち消すのだ。だから、少々状況がタフでも働くことができる。警察犬や軍用犬がその例だ。
さて、アシカ、一度泳ぎを覚えれば、もうそれは名前の通り水を得た海獣のごとく、スムースにスイスイ。海中で魚でもとって来そうな勢いだ。おまけにラッコよりも泳ぐのが早い。ラッコもかなりスポーティなのだが、いやいや。あの小さな黒い体に秘められているバイタリティはすごい。
みなさんの犬たちは一体どういうきっかけで泳ぎを覚えましたか?