文:藤田りか子

[Photo by cynoclub]
春めいてきた。私が住むスウェーデンの中南部地方でも、雪と氷が徐々に溶け始めている。フィールドを覆っていた白い雪も今や、まばらに残るだけとなった。待ちに待っていたドッグトレーニングのシーズンに突入する。その前に、ということでうちのラブラドールズ3頭を獣医に連れていき、身体のメインテナンスを行ってきたところだ。
獣医といってもちょっと特別なクリニックである。北欧では数少ない、ラジアル衝撃波を使い筋肉のもみほぐしを経て整体施術をしてくれるカイロプラクター、J先生のところだ。我が家から車で6時間のところにあるのだが、遠距離もなんのその。スポーツドッグは体が資本!先生は犬と馬の筋肉コンディションニングのエキスパートであり、ここで今、微調整をしてもらうことで、のちに大きな怪我や筋肉のトラブルを未然に防ぐことができる。体の定期的なメインテナンスは、とても大事だと最近よく理解できるようになった。
それにしても、スポーツドッグ(ドッグスポーツ競技会に出ており定期的にトレーニングを受けている犬)というのは、どれぐらい故障したり怪我をするものなのだろう。ガンドッグの世界に身を置いているのだが、跛行でトレーニングを休まざる得ない犬は決して少なくないように思える。
人の場合だと、スポーツ科学とかスポーツ医学というような分野が確立しており、「どんな競技で、どんな怪我が、どれくらい起こるのか」といった疫学研究も豊富、状況もつかみやすい。それに比べると、ドッグスポーツの怪我についての研究は、まだそれほど多くない。あったとしても一つのドッグスポーツに限られたもの(アジリティなど)になってしまう。
その意味で、2年前に発表された北欧スウェーデンにおけるドッグスポーツに伴う傷害の実態調査は、この種の研究としてはとても珍しいものだ。これまでの研究と異なり、本研究ではアジリティやオビディエンス、ラリーオビディエンスなど複数のドッグスポーツを含め、競技別・犬種別の怪我

