うちの犬、リードを引っ張るんだけど…  〜 その心と体が語るもの

文:藤田りか子


IMelanie Lim

愛犬にできるだけ「良き犬生」を与えたい。だから本当は、もっともっと散歩に時間を割いてあげたい。そう思いながらもリードを強く引っ張られることが精神的にも肉体的にも苦痛で、散歩そのものを憂鬱に感じてしまう飼い主は、決して少なくないはずだ。2019年にイギリスおよびアイルランドで行われた大規模調査では、2,500頭以上の家庭犬のうち8割を超える犬がリードを引くと飼い主によって報告されている。リード引っ張り行動は、世界中の飼い主の一大お悩み案件ともいえるだろう。

同調査によると、リード引っ張りの問題を持つ犬のその約3分の1は1日30分以下しか散歩をしてもらっておらず、2割近くは必ずしも散歩が毎日与えられているわけではなかったという。もちろん多くの飼い主は、引っ張り防止を目的としたハーネスやヘッドカラーなどの装備を使用してなんとか工夫を試みるものの、引っ張りの問題は完全には解決していないようなのだ。これはなんとも、負のスパイラル状態だ。なにしろ散歩が少なくなれば、犬にとってはさらなる日常の刺激がなくなるわけで、刺激が足りていない犬に「リードを引かずに歩く」を求めるのはのはかなり酷な話となる。

そもそもなぜ引っ張るという望ましくない行動が起きているのか、そこを正しく理解するところから取り組みたい。先の調査では、正の強化を用いた方法でリードウォークをトレーニングするのが最も効果的、という報告があった一方で、「犬は主導権を握りたがっている」「より強いリーダーが必要だ」「支配的だから引っ張る」といった認識を持つ飼い主も少なくなかった。こんな考え方では、犬の行動を正しく理解することはさらに難しくなっていくだろう。まずは、リードを引っ張る犬が何を感じ、何を伝えようとしているか、以下に、リード引っ張りが起きるいくつかのケースと、それぞれの対策を見ていきたい。

リードが短すぎるが問題?

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