文:北條美紀

[Photo by Rikako Fujita]
突然ですが、あなたは楽天的ですか、悲観的ですか?
先日、自分の楽観度を測るテストを受けた。私は自分を割と楽観的な人間だと思っていたのだが、なんと「かなり悲観的」という結果に。スポーツで勝つのも、仕事で成果を出すのも、免疫力が高くてご長寿なのも楽観的な人。となると、ドッグスポーツで勝つのも、トレーニングで成功するのも、愛犬と長く幸せに暮らせるのも楽観的な飼い主ということになる。なるほど、この情報はぜひ皆さんと共有しなければ!
楽観性は学習性無力感の研究から見つかった
「あなたの犬に『何をしてもムダだ』と感じさせないように」の記事で、学習性無力感について解説したが、これを見出したのはポジティブ心理学の父、マーティン・セリグマン(Martin E. P. Seligman)だ。学習性無力感とは、逃げられない状況の中で繰り返し苦痛を受けると、自分には何も変えられない、何をやっても無駄だという認知が形成され、その後、逃げられる状況になっても逃げなくなることをいう。こうなると何事にも意欲的に取り組む気になれず、ちょっとしたつまずきですぐに諦めるようになるため、能力以下の結果しか残せなくなる。さらに、免疫力も低下しがちで、ご長寿も望めなくなるらしい。うつ病の発症率も高く、回復しづらい上、再発率も高い。悲惨な結果だ。
ただ、彼が見つけたのは悲しいお知らせだけではない。学習性無力感の研究には当初、犬が用いられた。8割近くの犬が学習性無力感に陥るのに対し、残る2割の犬はいつまでも諦めず、あるいは逃げられるようになるとすぐに逃げ出した。この差はどこから生まれるのだろうか。学習性無力感ウィルスに対する抗体があるのだろうか。
また、一時的に学習性無力感に陥った犬たちも、逃げられることを繰り返し再学習させることで「何をしても無駄だ」という枠組みを消去できることが分かった。この方法は、「私は無価値だ」と思い込んでしまったうつ病の人々にも有効だろうか。あるいは、学習性無力感を消去するだけでなく、学習性無力感に陥らない個体の特徴を身に付けることで再発を防ぐことができるのだろうか。
学習性無力感に陥る人、陥らない人を分けるのは楽観性
そこで、セリグマンたちは学習性無力感に陥らない人に共通する特徴を探し始めた。生命保険の販売員で好成績を出し続ける人たち

