我ら50代女子犬飼い!犬がくれる幸せ人生についての研究

文と写真:藤田りか子

犬曰くの典型的な読者は、50歳以上の女性である。もちろん、我々犬曰く編集部も女性だけで構成されており、おまけに平均年齢は55歳。50代というのは、もしかすると人生の中で最も犬と深く関われる年齢層なのかもしれない。犬関係のセミナーを開催すると、参加者の多くは女性で、だいたい40〜50代。

これは日本に限った話ではない。私が暮らすスウェーデンでも状況はよく似たものだ。犬のトレーニング教室に行っても、ドッグショーに行っても、目立つのは中高年の女性たち。私が関わっているノーズワークやガンドッグの世界に至っては、ほぼ「おばちゃん」の集団と言っていい。競技会に30代くらいの人が現れると、妙に若く見えてしまう。そして男性の存在は珍しがられる。

この現象はライフステージの変化と関係がありそうだ。50代前後になれば、子育てが一段落、時間や経済、心の余裕が生まれやすくなる。ある研究によると、犬を飼う高齢女性は日常的な身体活動量が多く、犬との散歩やトレーニングが生活の一部になっているとのこと。つまりこの世代にとって犬は単なるペットではなく、ポスト・子育てフェーズの生きがい!かつ、身体をともに動かすパートナーとして位置づけられているのだろう。


筆者が参加したガンドッグコースの様子。ほら、ほとんどが中高年の女性!!

…と書くと、犬と暮らす50代女性はさも健康で幸せそうだ。だが、実際のところどうなのだろう?

アメリカ・オーバーン大学、運動学を専門とする Heidi A. Kluess と Rebecca L. Jones は50歳以上の女性 を対象に、犬を飼っている人と、犬を飼っていない人を比較し、身体活動量、体力、人生満足度、そして人との関係性までを調べた。面白いのは、「犬を飼っているかどうか」だけでなく、ドッグスポーツをしている人としていない人まで分けて分析しているところ。つまり、

「ただ犬がいるだけで違いが出るのか?」

それとも

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