新しい「犬種繁殖」の概念 〜 同じ見かけじゃなくてもいい、中身さえよければ!

文:藤田りか子


[Photo by Rafaëlla Waasdorp]

「うちの子(犬)を迎えたい!」と思ったとき、まずは「どんな犬を、どこから迎えるか」を考えるだろう。そしてそれにはいくつかの選択肢がある。直接ブリーダーから純血犬種を、あるいは最近流行りのデザイナードッグを選ぶ方法がある。そしてもちろん保護犬という選択肢もあるし、日本であれば、多くがペットショップからの購入となる。

いずれのルートから犬を得るにしても、利点もあれば欠点もある。ブリーダーから子犬を迎える場合、倫理的な繁殖を行っているかどうかを確認したいわけだが、その見極めは容易ではない。そもそもブリーダーを探すこと自体、日本では難しいのが現実だ。そして保護犬を迎える場合。その利点は「救ってあげる」ところにあるだろう。退屈なシェルター暮らしを続けている、あるいは「処分」の運命にさらされている犬にセカンドチャンスを与える。しかし、現実問題として、平均的な飼い主が、すでに成犬である保護犬を家庭犬として上手に再トレーニングできるのか?もちろん、多くのハッピーエンド事例はあるのだが、ここでは一般論として考えたい。特に元野犬であれば、動物福祉の観点から家庭犬として適応させることが本当に良いのかという疑問もある。

ペットショップから犬を得る利点は、いつでも思い立ったときに子犬を購入できるという手軽さだ。だがその背景には動物ウェルフェアに逆行する「パピーミル(子犬工場)」の存在がある。ここで犬を買うことは、結果的にその仕組みの存続に加担することとなる。

「健康で暮らしやすい犬を育てるためのネットワーク」という新しい発想

こうした問題はアメリカでも同様なのだが、なんとそれを解決すべき新しい団体が5年前に設立された。

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