文:尾形聡子
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犬は人の「言葉の意味」を理解しているのか?それとも「声そのもの」に隠された信号を読み取っているのか?
動物に広く見られるボーカルコミュニケーション。喜びや警戒、怒りなどの内的な感情を声に出して表現したり、個体識別に使われたりしています。鳥類の鳴き声によるコミュニケーションは非常に発達していて、人の言葉のように、後天的にボーカルコミュニケーションを学習するシジュウカラのような鳥も存在しています。
音響コードとは
動物にとって声は“意味を運ぶ道具”ともいえます。このような、動物のボーカルコミュニケーションに使われる「声そのものの特徴」をまとめて「音響コード(acoustic code)」と言います。声の音程(ピッチ;基本周波数)や音色(基音と倍音の入り方の違い、ノイズっぽさ)、発声の長さ、ボリューム、ランダムさ、ゆらぎなどの測定可能な要素を組み合わせたものです。
たとえば、犬の唸り声を思い出してみてください。犬が