文と写真:藤田りか子
同じガンドッグといっても…
鳥猟犬すなわちガンドッグといえば、頭に浮かぶのは、ラブラドール・レトリーバーなどがいる。レトリーバーというのは回収をする、という意味で、銃で撃った後に役立つ猟犬だが、鳥猟犬の中でも、撃つ前に活躍する犬たちがいる。撃つ前に必要なことは、そう、獲物を見つけること!その役割をこなすのが、セター、ポインター、といったFCIの区分ではグループ7に入る犬種たち(グループ8のスパニエル種もこの役割を行う猟犬だが)。日本の実猟の世界では、実は、セター、ポインターといった猟犬が、レトリーバーよりも多い。保護犬の中にも、よくハンターから手放されたセターを見かける。この犬たち、猟で一体何をしているのかというと、キジやウズラといった地面に潜みがちな鳥を茂みや藪に探し、さらにそれを空中に飛ばせてハンターに撃たせるチャンスを与える。
ここで考えてみたいのだが、この芸当を、どの犬も機会さえ与えられたら、できるものなのだろうか?たとえば、チワワやプードルだってトレーニング次第で、できるのか?
たいがいの犬というのは、元来獲物を探して草むらや林、そして山を走り回るのが好きであり、そしてそれを本能として持っている。ただしセターやポインターがほかの犬と異なるのは、まず一つに