AIはその道のベテランの経験を上回るか〜盲導犬などの選択において

文:尾形聡子


[photo by Africa Studio]

AIは与えられたデータを使って学習し、人の経験から得てきた知識を真似できるようにして、分類したり予測したり、認識したりすることができます。日常のあちこちにAI技術が溢れる現在、それは動物福祉の向上のためにも利用されるようになってきています。たとえば畜産動物の健康状況のモニタリングを行い病気の早期発見や衛生管理の強化を行ったり、絶滅危惧種など野生動物の行動を自動撮影カメラやドローン、衛星データなどと組み合わせることで個体数や行動パターンの把握、環境変化の早期探知などに役立てられています。

犬へのAI活用については「獣医療に光〜AIアルゴリズムによる犬の心雑音検出に成功」や「獣医療にもAIを〜短頭種のBOASの客観的診断に向けて」で紹介したように、人の医療分野で発達してきたAI技術を獣医療分野でも利用しようとする試みや、犬のパーソナリティの特定(「犬の5つのパーソナリティ、人工知能AIにより特定される」参照)などが行われています。また、人の社会で多方面で使われるようになっているマッチングアプリのような役割として、保護施設での保護犬や保護猫との相性を予測したり、作業犬(盲導犬や介助犬、警察犬、災害救助犬など)を育成する際の適性を見極めたり個体を選別する際の性格や行動などの分析にも活用され始めています。

作業犬を育成することの難しさ

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