ドッグスポーツも、しつけも… 実は共通している “あること”

文:藤田りか子


[Photo by Anastassia Anufrieva]

4月、桜満開の日本にスウェーデンから二人の講師とともにセミナーに招かれた。私はもちろん通訳としての同行だ。講師の一人はオビディエンスのハンドラーであるマデレーン・エリクソンさん。岡山県にて「TOMO ドッグスクール」を運営する佐藤委子(さとう ともこ)さんが開催する「オビディエンス基礎セミナー」において講師を務めた(開催場所は兵庫県猪名川町 よしもとドッグトレーニングスクールにて)。マデレーンさんのトレーニング哲学は、「犬曰く」が発行する『Sheepdogs』誌でも紹介したことがあるので、読者の中には彼女をご存知の方も多いはずだ。

そして、これとは全く別のイベントとして、ノーズワークスポーツクラブ(JNWSC)が、マッツ・ヘドルンドさんを競技会ジャッジ及びノーズワーク・ワークショップのインストラクターとして招聘した。マッツさんはスウェーデンにおけるノーズワークの父とも呼ばれている存在。スウェーデンにこのスポーツを導入した創始者の一人である。こちらのセミナーは山中湖に近い山梨県道志村にての開催だ。

オビディエンスは、犬がハンドラーの指示によって決められた動作を正確に披露することを競うドッグスポーツだ。そこでは犬のハンドラーへの強固な集中力とチームワークが要される。一方ノーズワークは嗅覚を使い犬はハンドラーと独立して自主的にターゲット臭を探すスポーツ。人には犬ほどの嗅覚がないので、どこにハイドが置かれているのかとうてい見つけ出すことができない。ゆえに全て犬任せ。

二つの対照的なドッグスポーツであるにもかかわらず、マデレーンさんとマッツさんの教えに共通する原則があることに気がついた。というか、どちらのインストラクターもトレーニングの仕方について全く同じことを

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