犬のカーミングシグナル 〜 学者によるその「信憑性」考察 その2

文と写真:藤田りか子


子犬のように振る舞い体を小さくみせるのもカーミングシグナルの一つとして考えられている。[Photo by Marketa Wranova]

前回からの続きだ。カーミングシグナルは本当に「シグナル」なのだろうか?つまり、相手に何かメッセージを伝えるものとして機能しており、それを受け取った者からのフィードバックは送り手に返されている、という「コミュニケーション」の形態をなすものなのか?

本記事その1ではコミュニケーションとは、そして犬のストレス時にでてくる行動や転位行動について述べた。今回はカーミングシグナルがコミュニケーションとして機能しているかを科学的に考察をした研究例をいくつか紹介しよう。

2017年のMaritiらの検証

もし、本当カーミングシグナルがコミュニケーションとして使われているのであれば、たとえば散歩中などの攻撃的な犬に出会ったら、その行動をなだめようと散歩に連れられている犬はカーミングシグナルを出すはずだ、という予測できるかもしれない。イタリアのピサ大学を中心とした研究チーム(Maritiら 2017)は

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