吠えて「番犬業」に勤しむうちの犬、どうしたらいい?

文:藤田りか子


[Photo by konrad koller]

無駄と捉えられる犬の吠え声

日常生活で犬がワンワンと犬が吠えるのは、時に無駄吠えとも呼ばれている。が、「無駄」とは人からの目線であり、犬にしてみればほとんどの場合無駄どころか必要あっての行為だ。自分の縄張りに誰かが入ってくることに対して、警戒の吠え声を発することもあるだろう。そんな行動を見せてくれるからこそ犬は歴史を通して番犬として重宝がられた。

のみならず番犬的性質を強く持った犬をわざわざ犬種として仕立て上げる、ということも人は行ってきた。FCIカテゴリーのグループ2(ファームドッグや牧畜番犬)に属する犬や一部の牧羊犬(グループ1)はそんな類の犬たちだ。それゆえに「吠えやすさ」を性質として持っている犬は現代にも残されている。農場で活躍していたテリア(グループ3)もファームドッグの一つとみなしてもいいだろう。

とはいえ犬種関係なく今時の犬は都市化した住宅地に人と室内でいっしょに住まざるを得ず、犬の「番犬素質」は必要のないものとして疎まれるようになった。玄関に入る前にインターホンがあるし、カメラがあるから犬の番を借りなくても人はなんとかやっていける。

だから犬の「警戒吠え」を「無駄!」としてなんとか止めようとするものの、うまくいかないケースが多いのは、一つには犬の中にはその欲求を他の誰よりも強く持っている個体がいるから、そしてもう一つの理由は私たちの犬に対する行動が曖昧で、「吠えちゃだめだよ」が犬にうまく伝わっていないためでもある。

かくいう私も、時に厳しく犬に「吠えちゃだめ!」と禁止の言葉をだすのに、ある時は吠えてもそのままにしていたりする。これでは犬にまったくこちらの意図は通じない。犬にわかってもらえる唯一の早道は、人が行動を一貫させるべし。そのためには、犬がどのような行動を見せたら、こちらがどう対応するべきか、それをはっきりと「イメージ化」

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