文:藤田りか子
[Photo by Harold Meerveld]
あの子はできるのに、うちの子はできない
ノーズワークのインストラクター養成のためにスウェーデンから来日したピッレ・アンデションさんが、
「皆さんも今後ノーズワークのインストラクターになったら、もっとグループレッスンを導入するべきですよ」
とコースの中で参加者に伝えていた。日本ではドッグレッスンというとプライベートレッスンの方がメジャーだそうだ。しかしプライベートの一対一レッスンで40分時間を費やすよりも、2時間のコースで6〜8人の生徒を集めて行う方が、インストラクターにとっては効率がいい。のみならず、参加者にとっても一対一レッスンより遥かにいい、とピッレさんは言う。確かにスウェーデンではほぼどのドッグコースもグループレッスンでやっており、プライベートでみるインストラクターというのはよほど専門化したドッグスポーツの個人指導とか問題行動のコンサルティングではない限り、まずない。
参加者にとってのグループレッスンのメリットは、他の飼い主とその犬が指導を受けている間、自分の犬を休ませることができる点。一気に30分続けてトレーニングをやるより、2時間の中で10分づつ3回行う方が学習の効率はグンと上がるとピッレさん。その前に教わったことを休んでいる間にゆっくりと犬は消化できるからだ。おまけに休んでいる間他の人と犬がやっているのを見たり、そのときにインストラクターがどのような指導を出しているのか聞くのはとても勉強になる。私も自分の参加者としてのこれまでの経験からピッレさんの意見には大いに同意である。
でもねー、とインストラクターコースの参加者の一人が言った。