肥満のリスク〜不妊化手術時の年齢、性別、体のサイズとの関係は?

文:尾形聡子


[photo from Adobe Stock]

肥満が健康にとっていいことがないのは人も犬も同じです。それを知っていながらも、日本をはじめとする先進国で肥満の犬が増えている状態が続いています。犬の健康に対する飼い主の意識が高まってはいるものの、肥満についてはその逆を示しているのはなぜなのでしょうか。

太る主な原因は、摂取カロリーが消費カロリーをオーバーしていることです。食生活がダイレクトに体重の変化に影響するのは当然ではありますが、そのほかにも、性別、不妊化手術状態、年齢による代謝の変化、飼い主の肥満傾向などが犬の肥満の危険因子として関係していることがわかっています。そのほかにも、イギリスの研究では犬種によって太りやすさ、太りにくさが異なることも示されています(「もっとも太りやすい犬種は?〜イギリスの最新研究より」を参照)。つまり、遺伝的な体質によるところもあるということです。

肥満であってもまったく健康に問題のない犬も中にはいますが、肥満であることが引き金となり関節の病気や循環器、呼吸器系の病気などさまざまな病気を発症する可能性が高くなることが問題とされています。実際、中年期に太り過ぎだった犬は正常な体重だった犬と比べて寿命が短くなることも示されています(「肥満は家庭犬の寿命を短くする恐れあり」を参照)。

肥満の危険因子のひとつである不妊化手術については、

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