文:藤田りか子
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犬がちょっとでも望ましくない行動を見せる度に、
「この子にはストレスの負荷がかかりすぎている」
とか
「きっとどこか体に痛いところがあるかもしれない」
というような深ーい理由をつけたがる人がいる。仮にAさんとしておこう。Aさんは絶対に「ダメ」を言わないポジティブ・トレーニングの信奉者でもある。その手の人の話を聞きながら、昔は
「あらま、私としたことが。こんなことに気がつかないとは」
と自分の行動を顧みて反省もしたものだ。が、今となっては「本当かな?」と懐疑的になることも多い。犬との暮らしの経験が長くなり、いろいろなトレーニングやドッグスポーツにチャレンジしたりで、私の方にも「犬とは?」について深い洞察力がついてきたのかもしれない。犬と濃密に接すれば接するほど「コミュニケーションとは?」について考えざるを得ない。ついでに気持ちにも余裕ができた。
え、ほんと…?
「うちのポコは他の犬を見ると、ガウガウになるんです」
というお悩みを持つ人がいる。Aさんの助言はこんな感じだろう。
「ポコちゃんには相当なストレスがかかっていますね。何がストレスの原因なのか、行動分析ができる専門カウンセラーを探して問題解決をしてみるといいのでは?」
あるいは