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心と身体の発達過渡期である思春期。ただですら気持ちが混沌としやすいのに、その上、犬がもともと非常にアクティブな気質を持っていたら?例えば、ボーダー・コリー。思春期に始まる行動の変化に手が負えず、この頃シェルターに手放してしまう人が欧米では多い。
さて、筆者の住むスウェーデン中西部ヴェルムランド県の小さな町に住むマリー・ヴィラゴスさんはゾーリーというボーダー・コリー(メス、3歳)と、とてもハーモニックに暮らしている。若干2歳という若さで、すでにオビディエンスのクラス1のタイトルを取り、現在クラス2で活躍中。これまで8回競技に出て6回も一席を勝ち取った。共に素晴らしく息の合うコンビを見せているのだ。 そして
「ゾーリーとは思春期を思いのほかうまく過ごせた」
とも。ただし、マリーさんによるとゾーリーは決して一筋縄ではいかない、 犬の野生的本能に満ちた 、活発なボーダーだという。そんなゾーリーとどんな風に若犬時代を暮らしてきたのだろうか。どうして現在の素敵な関係が可能となったのか。とても好奇心が湧き、マリーさんに伺ってみることにした。
子犬時のコミュニケーションが決め手
「ゾーリーは私にとって2番目のボーダー・コリーです。1番目の犬でたくさんの失敗を犯しました。そこから私はたくさん学びましたね。何を子犬時代にすべきか、見通しを立てることもできました。思春期を上手に暮らすコツは、まず子犬時代に、どのように飼い主と犬がコミュニケーションを培ってきたか、にあるでしょう」