文:尾形聡子
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がん(悪性腫瘍)は長年にわたり人の死因のトップの病気であり、犬においても同じ状況が続くようになっています。がんは人や犬だけでなく、様々な家畜、野生の哺乳類、鳥類、両生類など、さらには動物だけでなく植物もかかる病気です。ただし、種によってかかりやすいがんの種類は異なります。
がん治療薬の開発のための新たなアプローチが必要とされている昨今、自然発症する人のがんと犬のそれとの類似性の高さが注目されています。両方のがん患者に対するより精密な治療法開発を進めていく上で、犬のがんの遺伝データが重要な役割を持つと考えられているのです。
あらためて、がんとは細胞の増殖制御機構が破たんして無秩序に増殖を続けて生物の体をむしばんでいく病気です。ひたすら増殖する細胞が正常な細胞や組織に浸潤したり転移したりすることで、正常な体の働きを保つことができなくなります。
細胞増殖が暴走する原因は