うちの犬は何もしないの…ってそれでいいわけ?

文:藤田りか子


[Image by Bianca Van Dijk]

犬舎や囲いに(あるいは家の中に)一日中閉じ込められた犬を見ても、吠えたり暴れたりしてさえなければ、「この子は大丈夫」と思いがちだ。つまり「おとなしくていい子」にしている限りは「全てが安泰だ」と人は考えてしまう。もちろん犬がおとなしくしているのはこちらにとっても都合がいい。でも

「運動もほとんど与えられていないのに、なぜおとなしくしていられるのか」

と犬の心情について深く考えることはあまりないかもしれない。そもそも健康なのに、なぜじっとしたままなのだろうか。

犬の破壊行動や常同行動ならすぐに目につくし、世間からも注目を浴びやすい。だから犬学・獣医学の世界でもおおいに取り上げられ研究がなされてきた。だが「病気でもないのに無活動」の状態を呈している犬についての調査というのはあまり行われていない。

しかし2019年に「犬の無活動」に関する研究報告がイギリスから出されている。そこには

「何もしない犬とは、犬のウェルフェア的に実は赤信号状態」

と考察として記されていた。これは私の目をおおいに引いた。というのも

「うちの子はそれほど散歩に行かないけれど、サークル(あるいはケージ)でおとなしくしているいい子なの」

などと言う人に出会ったことが何回かあったからだ。おまけに

「体は健康なんですから、問題ないでしょう」

とすっかり安心しきっている様子なのだ。よってサークルやケージ飼いでも一向に構わないではないか、と主張する。でもちょっとまった。ほんとうにいいのかな、それで…?

【こちらは有料記事です】

続きを読むにはして下さい。

ご購読いただくと続きをご覧いただけます。

今すぐ会員登録して続きを読む