文と写真と動画:藤田りか子
お父さんは強いんだぞ!負けるものか!![Photo by Bryan Rosengrant]
愛犬と引っ張りっこ遊び?とんでもなーい!!
みなさんは愛犬と普段どのように遊ぶのだろうか?ボールやディスク投げ遊び?それとも自分も犬になりきっていっしょに取っ組み合い?あるいは引っ張りっこ遊び?
犬にとって飼い主との遊びはとても大事だ。どんな風に遊んでも、お互いが楽しいと感じている限りは「犬との絆作り」に大いに貢献してくれる。だからぜひとも、ありとあらゆる手段で犬とは遊んで欲しい。だが
「いや、でもうちは、引っ張りっこ遊びはしないんですけどね」
という人、結構多い。なぜ?と聞くと
「犬がだんだんエキサイトしてきて、凶暴になるのが怖いんですよー」
なるほど、これは理解できる。犬によっては、引っ張りっこ遊びをしているうちに熱くなり、ついにはかなりアグレッシブになる子もいる。ちなみに犬は本当に凶暴になるのか?これについては後ほど説明したい。そして、愛犬を凶暴犬に変貌させずとも引っ張りっこ遊びをできる方法もある。
「引っ張りっこ遊びをして犬に負けると、犬になめられますから。それがいやで、この遊びは避けています」
この回答も定番だ。引っ張りっこに負けた拍子に、飼い主が地面にころがってしまい、犬にぺろぺろなめられるのが嫌なのだろうか?はは、これは冗談だ。「なめられる」というのは、犬が人より偉くなり下に見られるがために犬になめられること。だからトレーナーの中には
「引っ張りっこ遊びをするのなら必ず人が勝つこと!」
とアドバイスする人がいる。これは日本に限ったことではない。欧米でもパックリーダー論が好きなトレーナーの多くは同じようなことを飼い主に伝えている。
引っ張りっこ遊びにおける「勝ち」と「負け」とは?
以下の写真が、引っ張りっこ遊びで犬が勝ったシーンを示している。
写真上:ハンドラーとおもちゃで引っ張りっこ遊びをするマリノア
最終的におもちゃはマリノアが奪ってしまった。おもちゃを取ったものが「勝ち」。つまりマリノアが勝って、ハンドラーは負けた。
この写真の犬はおもちゃを奪い勝った。さて、こんな風に遊びを続けていけばそのうち飼い主を見下すようになるのだろうか。何しろ尾も上にあがっているし、なんだか堂々としているではないか。だが、お察しの通り私はそれに「NO」と言おうとしている。それが今回のテーマだ。
そもそも犬は人と接するとき