「持ってこい!」で回収に出た愛犬が「戻ってこなーい!」に対処する

文と動画:藤田りか子

[Photo by Jason Milich]

愛犬と「持ってこい!」遊びをさせるときによくある問題のひとつ、「戻ってこない」というやつ。週末開催しているトレーニンググループで最近飛び入りしたLさんのラブラドール・レトリーバー、メッシーがまさにそんな問題を抱えていた。

もしかして同じことで悩んでいる愛犬家のみなさんもいるのでは?そこで今回は「持ってこい」で犬を送り出したあとに必ずこちらにもどってくるようにするための訓練のコツとアドバイスを示そう。トレーニングの参考になれば幸いだ。

メッシーはボールやダミーを投げれば、勢いよく走ってでていく。しかし走っていく途中に、あるいは物品を回収した後に何か他ににおいをみつけると、ハンドラーのところに戻るのを忘れて、そのにおいをたどって走り回る。Lさんは

「これまでトラッキングのスポーツばかりさせていたから…」

と言い訳をする。トラッキングとは嗅覚で足跡を追うドッグスポーツのことだ。確かにメッシーは若いときからトラッキングに打ち込んでおり、2歳でそのチャンピオンタイトルを獲得している。のみならず自然保護官をつとめるLさんの調査にも伴われ、野生動物の足跡追及もおこなっているほど。

しかし誤解するなかれ。トラッキングをやっていても、回収犬として機能が損なわれることはない。これまでにも、トラッキングのチャンピオンタイトルをとりながら、レトリーバーの狩猟技能テストのチャンピオンタイトルをとった犬が私の周りにごまんといる。トラッキングをやっていようがいまいが関係ない。一言でいえば、メッシーは自分に課されていることが何なのかよくわかってない。そこが問題なのである。Lさんには耳の痛い話ではあるが…。

たまに成功したからといって、それをあてにしないこと!

メッシーの戻ってこない行動に対して、Lさんは「だめ!もどりなさーい!」などと一応怒るジェスチャーを見せる。しかし犬は聞く耳をもたずに延々とグルグル走り回るだけなので、何か手段をとる、ということすらLさんは諦めている感じであった。

「この間はうまくいったんですけどね〜」

この言い訳も原因だ。犬が

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