文:藤田りか子
[Photo by xan latta]
犬のトレーニングが上手な人は、普通の人とどこか違う素質を持ってているものなのだろうか?そういう人は動物への愛が人一倍強いから、すごい?
もちろんどんな人でも学べばある程度ドッグトレーニングは上手になる。とはいえ「もとからその人に備わっている〈センス〉も必要だよなー」と個人的にはずっと感じていた。そしてこれまでいろいろなトレーナーに出会ってきた経験から言うと、その人が動物好きかどうか、というのは、優秀なトレーナーの素質としてあまり関係がなさそうなのだ。ちょっと悲しい事実だけど、でも本当だ。動物への情愛に溢れていても、訓練となると一向にダメな人もいるし、動物を道具としてしかみなさないのに、犬のトレーニングは素晴らしくうまくこなす人もいる。そう、犬好き=トレーニングがうまい、の方程式は必ずしも毎回当てはまるわけではない。
ならば犬のトレーニングが上手な人に特有の資質というものは、なんだか別のところにありそうだ。
そんなことも最近の犬学世界では研究ネタとなっているから面白い。オーストラリアのクィーンズランド大学農業科学部野生動物管理学科のラトーヤ・J・ジェイミーソンさんらは良き探知犬ハンドラーが持つ素質についての調査をし、2018年に論文を出している。それを元にドッグ・ハンドラー(つまり犬を操縦しトレーニングする人のことでもある)が持つべきパーソナリティについての考察を記してみよう。
ちなみにラトーヤさんは、ハンドラーのみならず、探知犬に必要な資質についての研究も行なっている。犬曰くの記事「プロの探知犬並みにノーズワークをこなせる犬の資質」で紹介しているので、ぜひご一読されたい。
前回の記事でも紹介した通り、