「ドッグスポーツ競技会は最高に楽しい!」と思うココロについての調査

文と写真:藤田りか子

ドッグスポーツ、シリアスなホビーなんです!

「ドッグスポーツなんていう趣味があるんですね〜!」

と犬に無縁な人のみならず犬を飼っている人からもよく言われる。それは「知る人ぞ知る」の世界なのだろうか。犬を伴うスポーツが真剣勝負に値することが、一般の人にはどうやら信じ難いらしい。いやいや、ドッグスポーツって単なる遊びごとじゃないのよ?

ドッグショーやドッグスポーツ(アジリティ、オビディエンス、ノーズワーク等)に真剣に関わっているという方、犬曰く読者の皆さんの中にもおられるはずだ。筆者もその一人。最初はドッグショーから。犬とアクティビティに参加することの喜び、そして競うことの面白さを知った。その後ドッグスポーツにのめり込み、ノーズワークとガンドッグ競技会愛好家に。単に「好き」から、ドッグスポーツマニアへ変身。

20年前以上になるけど、Best in Show (邦題:ドッグ・ショウ!)というハリウッドのコメディ映画があった。栄えあるドッグショーで真剣勝負をする「エキセントリックな人々」をドキュメンタリーっぽく描写したものだ。映画だからそれぞれのキャラクターはかなり誇張されているけれど、ショードッグに関わる人たちのあの本気ぶり・狂気(?)ぶりは、現実から決して程遠いものではない。

そう、ドッグスポーツやドッグショーに携わる我々にとって、犬との関わりはライフスタイルだったり自分のアイデンティティであったり。ある知人は「これ、もう病気!」とまで言い放った。世間での我々の立ち位置はおそらく「変わった人の集まり」にすぎないのかもしれないが、こんなに夢中にさせてくれる趣味なんだもの。真面目なホビーの一つとしてもっと社会的地位を得てもいいのに…、と思うのだ。ただし欧米では、日本においてよりもう少し市民権を得ているかもしれない。アメリカではすでに20年以上前からドッグスポーツが社会学における調査対象になっている。最近ではイギリスからも論文が出た。

昔なら家族、仕事、宗教が人生の意義を形づくるフレームとして捉えられていたけれど、現代は趣味活動といったレジャー分野も社会学的調査の中に含まれる。そのひとつとしてドッグスポーツを選んで研究した人がこれまでに何人かいる。ドッグスポーツの何を彼らは考察しているのか、本記事では1999年に発表されたBaldwinとNorris、2015年のJocelyn Farrellらの調査を中心に紹介したい。

プロとアマが混在!

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