文と写真:藤田りか子
私、なんでも知っているし、なんでもできるもん!と、思春期の若犬。
何もかも計画通り!トイレのしつけもばっちり。どこかに粗相されてしまうのではないか、と心配したのも、今となればなんだかちょっと前の話。やたらと手に絡みついて甘噛みするなんてことも、もうほとんどない。パピークラスでの社会化トレーニングだってうまくいっている。「マテ」や「オスワリ」もできるようになった。呼び戻しだってお手のもの。ちょっとした簡単なオビディエンスの課目だってこなせる。
「もしかしてこの子、トレーニングの天才かも!」
と飼い主の欲も張ってくる。ついには、
「私とこの子、将来は競技会で競えるかも…」
希望に光り輝く。子育ての嵐が過ぎ去りやっと春が来た!
「犬との暮らしってなんて楽しいのだろう、うふふ!」
それは突然やってくる!
ところが、ある日それは突然やってくる。愛犬は