文:藤田りか子
[Photo by Rikako Fujita]
探知犬に関する学術研究というのが存在することを前回のべた。何やら小難しそう!と引いてしまうかもしれない。しかしノーズワークファンならチェックしておくべき情報源だと思う。なんといってもこれら探知犬研究は、我々のようなアマチュアにとってもいろんなヒントに溢れている。プロの探知犬は、難しい状況でも探さなければならない(麻薬探知など)、座るというようなインディケーションを徹底させなければならない(地雷探知など)、などハードルの高いところで作業をしているものの、プロとアマチュアの犬の間にそれほど大きな差があるとは思わない。ノーズワークスポーツでもクラス3(NW3)ともなれば、高いところや鼻が届かないところにハイドがあるなど、そのレベルは探知犬が遭遇する環境並みに高いのだ。
さて今回の「学術研究から学ぶノーズワーク」は、アメリカの砂漠にいるサバクゴファーガメという絶滅危惧種であるリクガメを探し出す探知犬の効率性と信頼性について調査した研究から。この研究が我々ノーズワークハンドラーにとって面白い点は、インディケーションが果たしてサバクゴファーガメの探知犬に必要なのか不必要なのかについて言及していることだ。
アメリカのカルフォルニア州、ネバダ州の砂漠に生息するサバクゴファーガメは絶滅危惧種であり、その個体群・生息調査が行われている。[Photo byDoug Olberding]
ところでまず言葉の定義を。インディケーションあるいはアラートとは、