文と写真と動画:藤田りか子
これまでライニングの練習を2回にわたって紹介した。まだまだ続きはあるのだが、今回はちょっとおやすみをして、ライニングとは切っても切れない付随の技について話をしたい。それは鼻を使って獲物を探すというスキル。犬を所定の場所に送ったあとは、丹念な嗅覚作業の出番となる。そう、ガンドッグのノーズワーク。コマンドは口頭で「探せ」でもいいが、フィールドの作業ゆえ、ホイッスル(犬笛)を使う。かっこいいではないか。レトリーバーを飼っていない人も、これは脳トレとして使えると思う。ぜひ試されたい。
(まだホイッスルを持っていない人はアマゾンで以下のような犬笛を購入してみるのはいかが?↓)
ヨーロッパのレトリーバートレーニングの際はたいていこのACME社の周波数211.5のホイッスルを使う。
というわけでガンドッグ流ノーズワークの世界へようこそ!
ハント・ホイッスルとは?
ガンドッグの作業の中でどのようにノーズワークが活かされているのか、まずはその説明から。ハウツーについてはさらにスクロールダウンして見てみてね。
レトリーバーの猟芸のひとつに、ハンドラーの指示に従いエリアに到達し探し出して回収する、というのがある。ブラインド・レトリーブというのだが、これだけ聞くと「ガンドッグは人のいうことを聞く犬でありさえすれば、狩猟犬として機能は十分」と思われるかもしれない。ところがさにあらず…。
指示したところに犬が走って行ったとしても、ドンピシャに犬がダミーの落下地点(あるいは鳥が落ちた場所)に来れるとは限らない。たいていターゲットエリアからわずかにずれたところに犬は到達するものだ。5mぐらいの時もあれば、10mぐらいの時もある。あるいはドンピシャについたとしても草丈が高く、ダミーがすぐ目に入ってこないかもしれない(本当の猟であれば、手負いの鳥はそこからバタバタと走って移動することもある)。
こういうときハンドラーはどうするのか?