嫌悪刺激を使うトレーニング方法が犬の気持ちにもたらす悪影響

文:尾形聡子


[photo by Waldo Jaquith]

ひと昔、ふた昔前までの日本でも、犬を叩いたり怒鳴ったりしてのしつけがもれなく一般的に行われていたものですが、歴史的に犬のトレーニングのはじまりは体罰を使って厳しく犬の行動を制御する方法(aversive-based training)が用いられていました。しかし時の流れとともにトレーニングの方法論が変わっていき、今では褒め言葉やトリーツ、遊びなどのご褒美を使って犬のトレーニングをする、いわゆる報酬ベースのトレーニング(Reward-based training )が世界的にも、そして日本においても主流になってきたといえます。

トレーニング方法が犬にどのような影響を与えているかを調べる数々の研究が行われるようになったことも、報酬ベースのトレーニングが推奨される後押しとなっています。過去に発表された犬のトレーニング方法についての17報の研究レビュー論文では、嫌悪刺激を与えるトレーニングは犬の心身に悪影響を及ぼす可能性があり、嫌悪ベースのトレーニングは短期的な効果は見られるものの

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