犬は哀しみを人に伝えるのが上手?ペットの飼い主は犬の「クゥ~ン」に敏感に反応

文:尾形聡子

【photo by Found Animals Foundation

犬はさまざまな声色を使い分けて自分の感情や状態を表現できる社会性の高い動物です。人の言語コミュニケーションとは異なりますが、犬も声をつかって犬同士のコミュニケーションをするし、それを人に向かって行うこともあります。私たちが犬の状況を読み取ろうとするときに、犬が何か声をだしていればその声色にも注意を向けるものです。

犬の声は、声色によってそれぞれに意味があります。カタカナで書くといくぶん正確ではなくなってしまいますが、「ワンワン」「キャンキャン」「ワォーン」「ヒィーン」「ガルルルル」など、犬たちは誰から教わることなく声の使い分けをすることができます。語彙数と考えると限りはあるものの、「ワンワン」ひとつとってみてもトーンや声の大きさ、繰り返しの回数などから、楽しいワンワンから警戒のワンワンまで器用に使い分けて感情表現をしています。

唸り声はどうでしょう?目の前にいる犬から「ガルルルル」という声が聞こえてきたら、私たちはその犬に近づくのは危険だと判断することができます。犬同士にいたっては、相手の姿を見ずとも唸り声を聞いただけで相手の体の大きさを予測できるというのですから、犬同士のコミュニケーションにおいても声は大事な要素のひとつといっていいでしょう。

このように、犬は犬としての独自の発声パターンを持っていますが、人はどれくらい犬の声にこめられた感情を感じ取っているものなのでしょうか。デンマーク、アメリカ、イギリスの研究チームは犬と猫の「哀しみの声」に着目し、ペットの飼育の有無と犬猫の哀しみの声を聞いたときの人の感受性、そしてそれがその人の性格特性(うつ病や不安傾向、愛着傾向)とに関連性があるかどうかを調べ、

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