文:尾形聡子
[photo by star7729 / alisonG]
マイクロチップ義務化などの改正動物愛護法が今国会で成立したというニュースは記憶に新しいところです。そのひとつ、いわゆる8週齢に満たない子犬の販売規制も、天然記念物として指定されている日本犬以外には適用されることになりました。
なぜ8週齢なのか?については、インターネットで検索すれば山ほどでてくるので詳しくはそれらを参考にしていただきたいのですが、ざっくりといえば、早期に子犬が親から引き離されると、十分な栄養をもらえなかったり社会化が不十分になったりするため、心身共に健康ではない犬へと成長してしまう可能性が高まる、というのが大きな理由とされています。
適切な時期に適切な飼養が受けられないことにより個体(子)が何らかのよくない影響を受けるのは、犬に限ったことではなく、私たち人間も同様です。特に社会性の高い動物にとって、円滑に生活を送るためのベースづくりは幼少期に欠かせません。そのようなことを考えると、飼い主に迎えられた後もひき続き子犬に適切な社会化の機会が与えられなければ、たとえ56日齢(8週齢)以下での子犬の販売が規制されたとしても、それだけでは十分機能しないのではないかと思うのです。