文:尾形聡子
[photo by Lisa L Wiedmeier]
犬は同種の犬のみならず人の行動も観察し、そこから学ぶことのできる動物です。“先住犬の真似ばっかり!”とか、“私のことを真似しているなあ”などと感じたことがあるのではないでしょうか。
このように、他者の行動を観察してその行動を真似し、体得していくことを “社会的学習(Social learning)”といいます。先日、藤田さんが記事で紹介されていた『ミラー・メソッド』はまさに犬の社会的学習能力を活用したトレーニング方法です。また、行動の学習は見るだけでも行われることがあり、それは観察学習(Observational learning)と呼ばれています。
社会的な集団の中で、自らの行動スキルをより安全に効率的に身につけていくための重要な能力、社会的学習。これまでさまざまな研究により、成犬は他の犬や人間の行動から社会的学習や観察学習をしていることが示されていますが、そのような能力はいったいいつ頃からあらわれてくるものなのでしょうか。