あなたは犬と一緒に寝る派?

文と写真:藤田りか子

すでに10年前のことなのだが、スウェーデンでは10人中7人の飼い主が愛犬と一緒にベッドを共にして寝ている、という統計が出ていた。

今はどうなのかわからないが、私が思うには、それから大して事情は変わっていないだろう。いや、それどころかこのところの小型犬ブームのため、もっと高い割合かもしれない。ちなみに猫については95%の飼い主が一緒に寝るという。さて、皆さんは、愛犬と一緒に寝床を共にしますか?

かくいう私も紛れもなく、犬と一緒に寝る派であり、当然だと思っていたら、意外に日本ではそうではないらしい。ご存知にように、私はもうスウェーデン暮らしが自分の人生の半分ぐらいまで来ているので、日本の事情に必ずしも明るくはない。だから驚いてしまった。この間、日本でしばらく滞在していたら、ある人に悩み相談として、

「夜、寝るときに犬が鳴くのです。どうしたらいいのでしょうか」

と聞かれた。犬と寝るのが一般的ではないことに気がついたのは、この時だ。ちなみに、この人の愛犬の問題行動は、おそらく犬が日中十分運動をさせてもらえていない、留守が長すぎる、犬を一人きりにしすぎ、かが原因ではないかと思う。日中、十分な刺激を受けた犬は、人の消灯時間にシンクロナイズさせ、共にコンコンと寝るものだ。

よく「犬をベッドにあげると、犬は自分がリーダーだと思うようになる」とはいうものだが、さすがに、未だにそんなことを信じている人は、スウェーデンにはいなくなった。ベッドで一緒に寝ることに反対する派は、むしろ「衛生的によろしくない」という理由を挙げる。あるいは、夫婦間の嫉妬もあるようだ。私の友人のSさんは、旦那が犬をベッドに入れることをよしとしないという。ただし、

「彼が出張で家を空ける時は、私は大喜びでベッドにあげているのよ」

とSさん。

ドッグトレーナーでもあり、ドッグスポーツの競技者でもあるBさんは、

「犬と一緒に寝るのは、当たり前ですよ?!これも、犬に「群れ」意識を助長するものです」

バゼンジーというアフリカ原産の犬を飼うLさんは、

「バゼンジーはレトリーバーみたいな人懐っこさはありませんが、しかし、原始的な犬ゆえに、すごく群れ意識が高い。だから、ベッドで一緒に寝ようとするのですが、それは私が好き、とかいうよりも、群れと一緒に暮らしたい、という欲求ですね」

以上、犬が群れ動物だから、という観点で一緒に寝る人が多いのも、興味深い。

犬の好きなようにさせていると、そのうち犬がいうことを聞かなくなる、という恐れのために、ベッドに入れるのを躊躇する人もいるかもしれない。しかし、トレーニングで簡単に、「いつ、ベッドに入っていいのか」をきちんと理解させるのは可能だ。前出の旦那の嫉妬のために犬をベッドに入れることができないSさんの犬はその典型。いつベッドに来てもいいのか、いつ控えなければならないのか、ちゃんとわきまえている。ベッドに来てもいいが、ソファはダメ、という区別をつけている人もいる。

ところで、私の犬は寝る時に、必ずしも、私に顔を寄せて寝ることはない。たいてい背を向ける。これは私が嫌いだからではない。犬としての礼儀をわきまえているだけだ。顔を相手の顔にくっつけすぎると、挑発してしまうかも、という犬ならではの気遣い。顔をぴったりくっつけてくれなくとも、夜寝る時、朝起きた時に、愛犬が近くにいる、という温もりを感じることができるのは、まぁ、いわば、私のQOLでもある。それこそ、幸せホルモンであるオキシトシンが出て、互いに気持ち良く生活を共にしていることを楽しめている。人生短し。犬との生活をとことん謳歌せねば!

(本記事はdog actuallyにて2016年3月2日に初出したものを一部修正して公開しています)