ドッグスポーツに使われる動物へのウェルフェア(倫理)

文:藤田りか子

牧羊犬に羊を追わせるトレーニングは、犬の精神健全性のために大いに奨励されるべきものだが、ただし羊への配慮も忘れてはならない。【Photo by SheltieBoy

いつだったか、ヨーロッパのある国で牧羊犬による羊のハーディング競技会を観戦していたとき、気になったことがあった。犬のエントリーがいくつか続いたのだが、同じ羊たちが何度も何度も使われて、休む暇がなかったということ。かなり炎天下でもあった。おまけに牧羊犬として「べからず」行動を見せるひどい犬もいて、狩猟本能にまかせて闇雲につっこんできたり、時にはパクっと噛み付いたり。こんな状態が長々つづき、羊は「疲れ」「ストレス」の頂点に達し、神経はすり減っているように見えた。しかし誰も羊の様子を気にする人もおらず。皆、犬に集中するあまりに他の動物への配慮を忘れてしまっているようだ。

犬に本来の仕事をさせてあげられるよう、その幸せを与えるために、時に他の動物を「使わなければ」ならないことがある。牧羊犬の訓練のみならず、狩猟犬の訓練においてもしかりだ。というわけで今回は、犬に「使われる動物」に焦点をあててみた。というのも、犬さえよければ動物のウェルフェアというわけではなく、彼らに使われる動物に対しても敬意を払うのを忘れてはならないからだ。

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