乳製品と犬 (2)

文と写真:アルシャー京子

ご褒美としても使える果肉入りのヨーグルト。飼い主と一緒に分け合って食べるのもよし。

ドイツで推奨されている犬の一日のカルシウム摂取量は体重1kgあたり100mg。

手作り食においてこれを普通の牛乳で満たそうと思うと、体重10kgの犬では約800mlは飲まなければならない。例えそれがあらかじめ乳糖が分解されている乳飲料であったとしても、ちょっときついものがある。

犬がドライフードを食べているのならば、すでに炭酸カルシウムだの卵殻・骨粉だのと混ぜ込まれているので特に心配することはないが、手作り食の場合のカルシウムの供給不足は長期的に見て結構深刻な問題である。

効率よく摂る

ヨーグルトという素材はどうだろう?

ヨーグルトは牛乳に乳酸菌などの微生物を加えた発酵食品である。どちらかと言うと微生物に栄養分を取られて栄養価は牛乳より若干劣る。しかしまだ乳糖の大部分が残っているにもかかわらず、同時に乳酸菌を摂ることで乳糖の体への影響は牛乳よりも少ない。

それでも大量に食べられるものではないので、カルシウム供給に期待するよりも生きた乳酸菌を摂るつもりで整腸に役立てる方が向いている。スプーン一杯づつでも毎日のメニューに加えるとよい。

さらに乳糖が微生物により分解されているチーズでは、牛乳をそのまま与えるよりも無理がない。

長期間熟成された固形チーズ。小さめに切って散歩のときにポケットに忍ばせ、トレーニングのご褒美として使うと犬のモチベーションは驚くほど上がる。ただやりすぎは禁物なので量に注意。

チーズはその製法により牛乳よりも成分が凝縮されているので栄養価は高い。しかし含まれる塩分が多いため、与えてよい種類と量はかなり限られる。

なかでもエメンタールチーズは含まれるカルシウム量が牛乳の10倍、また塩分濃度はプロセスチーズなどに比べ半分以下で、犬に向いているチーズのひとつ。

プロセスチーズは乳糖の少なさとカルシウムの利点にあやかるよりも、塩分濃度が高すぎて犬には向いていない。

家庭で作れるカッテージチーズでは含まれる塩分と乳糖こそ少ないが、残念ながらカルシウムが乳清に残り、チーズ部分に残るカルシウムは著しく少なくなる。良質のたんぱく源としてなら申し分ないのだが。

例えば体重10kgの犬のカルシウム必要量を満たすためのエメンタールチーズは約80g。そこには1gくらいの食塩が含まれるけれど、チーズ以外の食材(ドライフードなど)に含まれる塩分とバッティングしなければ、このくらいの塩分は犬には許容範囲内である。その時には常に新鮮な水が飲めるようにしておくことを忘れずに。

あとは現実的にお財布との相談次第で、塩分の話はまた今度にしよう。

(本記事はdog actuallyにて2008年9月30日に初出したものをそのまま公開しています)

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