食物繊維と犬 (2)

文と写真:アルシャー京子

乾燥ハーブは野菜の変わりに、押し麦の類は白飯の変わりに使うことができる食物繊維を多く含む食材。

前回の話でピンと来なかった「食事乾燥重量の最低約1.5%程度の食物繊維」について今回は見方を変え、例によって体重10kgの犬を例として、この犬に最低限必要な1.6gの食物繊維量を食材ごとの重さに変えてみよう。

食物繊維と聞いてすぐに頭に上る野菜類では、含まれる食物繊維が少ないため量を摂らなければ目安量には達しない。例に挙げるならばにんじん53g、ブロッコリー43g、しいたけ34g、いんげんまめでは66gといった風になる。菜っ葉類などごわつきそうなものなら細かく切り刻んで冷凍したり乾燥したものの方が量を多く混ぜることができる。

さて、次に食物繊維を比較的多く含む食材を挙げてみると、おからでは14g、昆布粉末5g(ティースプーン山盛り1杯)その他の食材で穀物では押し麦16g(大スプーン2杯)、玄米50g、全粒粉14gなどなど。

やたらめったら野菜を混ぜてカサを上げるもいいし、野菜嫌いの犬の場合は精白度の低い穀類や乾燥ハーブを使って効率よく摂るのもいい。

ただし、食物繊維は摂れば摂るほどいいというものでもない。犬の場合この最低食物繊維量のほぼ倍の量(約3%)を超えると全体的な消化の程度が落ち、ウンチは柔らかくなって(消化し切れなかった骨や土などでは逆にウンチを著しく硬くする)そして量が増す傾向にある。もちろん個体差はあるが。

「どうも愛犬のウンチが緩みがち」という場合は思い切って野菜の量を減らし、まずは安定を図ろう。いぬめしに含まれる素材と食物繊維が体にとって適性でそして適量であればウンチがそれを理想に近い形状と硬さで表現してくれる。

いぬめしに野菜を多く混ぜる場合は、それ以外の食材、特におやつとして与えられる乾燥アキレスや牛ヒヅメなどに含まれる動物性繊維も考慮されたし。

ただ「食べて出す」だけじゃなく、「出てきたものを見て食べるものに反映させる」ことも大切だ。

また愛犬がドッグフードを食べていたって、フードに含まれる食物繊維の量が愛犬のお腹に合っているかどうか判断する必要がある

実際に一般の成犬向けフードを見てみると、メンテナンスフードでは5%以下であるのに対し、ライトフードでは18%にも登るものまでいろいろで、これらの数字を給餌量に掛けると愛犬が摂っている食物繊維の大まかな量が出る。

「うちの犬は太りやすいから」と単純にライトフードに切り替えてウンチが緩くなった例はよく聞く話。そんな時にはまず量を変えずに回数を多め(3回程度)に分けて与えるか、あるいは別のメーカーのライトフードでできるだけ粗繊維含量が少ないものを選んでみよう。

柔らかいウンチが長期にわたると大腸での栄養吸収が不十分に行われず、また特に尻尾の垂れた犬種では肛門周辺を汚し嚢炎など何かと問題を引き起こしやすくなる。酷くなれば腸内細菌のバランスを崩し、体の抵抗力を下げる結果にも繋がるのである。

めざせ、キッカブル!(蹴らないけど)

(本記事はdog actuallyにて2009年3月17日に初出したものをそのまま公開しています)

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