犬のライフステージどう分ける?〜認知機能から分類する最新研究

文:尾形聡子


[photo by Kevin Sando]

一生を年齢によって区切った各段階のことをライフステージといいます。人の生涯では、幼年期・児童期・青年期・壮年期・老年期などと年代別に区切られていますが、犬の場合、それらに該当する年齢はいくつになるのだろう?どの犬種でも同じなの?と思ったことはありませんか。

犬は犬種によって寿命が大きく異なる生き物です。超大型犬のグレート・デーンと超小型犬のチワワは、同じ「犬」でありながら、体のサイズや寿命がまったく異なります。犬種、すなわち遺伝的要因による寿命の長さの違いは明らかで、体の大きい犬ほど寿命が短いのはよく知られた事実です。哺乳類全体に見られるような、体のサイズと寿命との正の相関関係と逆であることは、犬が人の手により選択繁殖され作られたからこその現象だと言えるでしょう。

このような犬たちを十把一絡げにして「ライフステージ」なるものを同様に設けるのは無理があるのではないか、だからといって同じ犬という生き物ならある程度の基準があるはずなのではないか、そんなことを考えていた矢先、面白い研究論文が出ているのを発見したので、今回はそれを紹介したいと思います。

生涯の認知機能変化年齢は犬種によって異なるか?

ひとつは、『Animal Cognition』に発表された犬の認知機能低下に関する研究で、犬種によって認知機能の低下の仕方が異なるのかどうかを調べた

【こちらは有料記事です】

続きを読むにはして下さい。

ご購読いただくと続きをご覧いただけます。

今すぐ会員登録して続きを読む