「犬、飼ってる人ってさ」一般化のリスク

文:北條美紀

[Photo by Kevin N. Murphy]

犬関連の話を見聞きするたびに、「一般化:generalization」を用いているケースが多いなと感じる。とりわけ飼い主に関する話のときだ。たとえば、「ペットショップから犬を買う人は」、「犬に服を着せたがる人は」、「小型犬を飼う人は」などなど。私はそれを「ちょっとしんどいな」と思うことがある。みなさんはそんな経験はないだろうか?

一般化は、「抽象化の一形態で、特定の実例の共通の特性を一般的な概念や主張として定式化するもの」(Wikipedia)、「あるグループの一部の事物について成り立っていることから、そのグループ全体について成り立つように論をおしすすめること」(webio国語辞典)などと定義される。一般化は、共通する特性を使って物事を単純化することで、高度な思考を可能とする。その一方で、心理学領域では「過度な一般化:overgeneralization」という用語がある。これは認知の歪みと考えられていて、ごく一部の事例から広く一般化した結論を導き、【それが正しいと信じて主張してしまう】ことをいう。

ここでいう「一般化」は推論法の一つであり、学習理論で用いられる「般化」ではありません。今回の主題とは異なるので注意。

一般化という心の働き

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