ノーズワーク ・サーチエリアの「汚染」について注意すべきこと

文と写真と動画:藤田りか子

ノーズワークでは揮発性の高い液体をターゲット臭として使う。それゆえにうっかりにおいに触ってしまうと、エリアを汚染しやすい。これはユーカリの芳香蒸留水。北欧のノーズワークのターゲット臭の定番だ。

エリアの汚染という観念

コロナウィルスが蔓延する今、多くの人が公共にあるものをできるだけ素手で触らないように意識しているはずだ。ドアノブを握る代わりに肘でドアごと押したり、使い捨てのゴム手袋をつけて物に触れたり。スウェーデンでも最近誰も握手をしなくなってしまった。どうしても相手に触れたければ、肘タッチをして挨拶をする。

だがノーズワークをやっている我々にとって「できるだけ物に触れないように」という気遣いは練習の際の「ルーティン」のひとつ。ただしこの場合感染でなく汚染を恐れてのこと。ターゲット臭となるにおいがサーチエリアに意図せずについてしまうことを、我々は「エリアが汚染された」と表現する。においを取り扱う時は自分の指があちこちに触れてエリアを「汚染」させてしまわないよう常に注意が必要だ。ゴム手袋をつける、ピンセットで扱う、においの入った瓶を触ったあとは必ず手を洗う。肘や脚を使って物をどけたりすることもあるはずだ。ウィルスと同様、我々の目に見えないものを扱うのは、なかなかやっかいなのである。

ノーズワークではターゲット臭として多くの場合アロマ油や芳香蒸留水を使う。液状なのでにおいが移りやすい。うっかり指にそのにおいをつけてしまいがちだ。その手でこれからサーチするエリアをあちこち触ってしまえば、おそらく犬はその触った箇所で「においがここにあるよ!」と反応してしまうかもしれない。悲しいかな、人には「におい」が見えない故、犬のインディケーション(においが見つかった時に犬が見せる行動)を無視して、さらにサーチを続行することだろう…。こんなことが何回か続くとノーズワーク初心者犬であれば、においに対するモチベーションを落としてしまうかもしれない。練習の際のエリア汚染対策は万全にすべし、なのである。

古いにおいに反応した犬を褒めるべきか否か?

一度練習に使った場所は、エリアとしては汚染の状態にある。以前隠したところにまだにおいが残っているかもしれないからだ。しばらく「検疫時間」をおく必要がある。スウェーデンのノーズワーク世界ではだいたい3〜4週間ぐらいを目処にしている。ただそこまで厳密に時間を空けることは実は練習会の時はあまりなく、1週間後に同じ場所を使うこともある。以前の隠し場所ににおいが残っている可能性も高く、案の定、そこでインディケーションを行う犬もいる。さて、こういう時、犬を褒めるべきなのだろうか、それとも…?

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