人へのアイコンタクトの違いは個体差?それとも犬種差?

文:尾形聡子 動画:藤田りか子


[photo from wikimedia] チェコスロバキアン・ウルフドッグには、ジャーマン・シェパードの血が入っている。彼らはアイコンタクトが得意な犬種?それとも…?

繁殖の歴史と犬種の作業特性の違いが犬の注視行動形成に及ぼす影響というのはあるものなのでしょうか?

犬の社会的認知行動のひとつ、人への注視(gaze)。注視するという行動は、犬同士の間でも、犬と人との間でも社会的な絆を構築し、促進し、維持することが分かっています。たとえば絆の形成に重要な役割をもつホルモン、オキシトシン。オキシトシンは犬と人が見つめ合うことで分泌量が増えることが示されています。一方でオオカミは親しい人と一緒にいても見つめ合うという行動をとることはほとんどありません(『見つめ合いとオキシトシンが人と犬の絆形成のカギに』参照)。

犬は人と協調してなにか作業をするときにも注視します。いわゆるアイコンタクトです。また、困ったことが起きたり、問題を解決できそうにないときなどに、犬は飼い主の顔を見上げる行動をとるものです。これまでに行われている注視行動のとり方についての研究では、あるタスク(箱のふたをあけて中の食べ物を取り出すといったようなもの)ができるようになったあとに、それを「解決不可能なタスク」(ふたが絶対にあかないように細工するなど)に変えて与え、目の前にある問題を解決しようとして人の方を見て助けを求めるかどうかという実験が行われています。

いくつかの比較実験によれば、オオカミやディンゴ(ただし人に育てられて人馴れしている個体)は「解決不可能なタスク」を与えられた場合、

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