切手集めと犬の朝ごはん

文と写真と動画:藤田りか子

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近所のおじいちゃんが

「切手を集めている人は何もしない人より幸せ」

とよく口癖のように言っていた。切手を集めていれば「切手を探す」という楽しみがある。さて、もし誰かが「これがこの世で発行された全ての切手です!」とトラック一杯に贈り物として運んできてくれたら?まぁ、それはそれでコレクションが増えて楽しいが、探す喜びは失われてしまう。おまけに、もらった瞬間は嬉しいものの、その感動は長く続かない。

そう「探す」という行為は楽しい。人にとっても、そして犬にとってもだ。

犬はオオカミやキツネと同様イヌ科という動物の一員。犬種にかかわらず程度の差はあれ皆一様に猟欲というものを備えている。と考えると、切手をハンティングする人と同様に、何かを探す機会を与えられている犬、というのは何もすることのない犬よりも幸せ、という喩えもできなくもない。

アシカの朝は庭にばらまかれたドッグフードを探すことで始まる。朝飯をフードボールてんこ盛りにして食べる方が

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