文と写真:藤田りか子
国民性と犬との付き合い方には、ある傾向が存在すると思うのだ。非難を承知、独断と偏見に基づいて言わせてもらえば、
- 人情を大切にする国民は犬との付き合い方は概して下手
- 人との社交である程度距離を置くクールな国民は概して犬の扱いが上手
後者に関しては、たとえば北欧フィンランドとかドイツとか…。
さらなる独断を許してくださるのなら、国が南に位置しているほど(南欧あたり)、社交が大事な文化で人情に厚い。しかしどうも野犬が多かったり、しつけがままなっていなかったり、ペットに関しては割合自由奔放。一方北にいくほど、個人主義でクールだがその分理性的。よって犬の飼い方についても、しっかりとマネジメントが行われている。しかし、一体なんだろう。この差は気候のせいなんだろうか?
実は今回北欧フィンランド教育について本を出した。それを書くために取材をし、フィンランド人メンタリティとやらを学ぶことができた。そして私が住むスウェーデンのそれと併せて考察し、以上のようなセオリーを出してみた次第だ。
フィンランドはヨーロッパでも有数の犬大国だ。きちんとしたブリーディングを行うからドッグショーでもすばらしい結果を出しているし、犬のトレーニングについてもピカイチ。アジリティの世界に有名なハンドラーが幾人もおり、セミナーのために来日したハンドラーもいる。そしてご存知、フィンランドは教育の面で今非常に注目を浴びている。子供たちの学力は世界一。不思議なのはフィンランドには塾もなければ、日本のようなヒステリックなまでの大学進学熱もない。規律正しいけれど、割合みんなのんびりしている。
日本と根本的にどう違うのか。フィンランドのいくつか家族や小学校、幼稚園を訪問してみたときに、あることに気がついた。