文と写真:アルシャー京子
亜鉛が不足すると皮膚の角質化が不完全となり不全角化症(パラケラトーシス)を引き起こすというのが獣医学での常識だが、逆に言うと角質代謝が異常を起こさない限り亜鉛の供給は無視されることが多い。
現実的にはパラケラトーシスを起こす以前に亜鉛不足は体に症状として現れるのに、その関連性を気にしてもらえないのはとても残念だ。
というわけで、今回は影の健康立役者「亜鉛」にスポットを当ててみた。
犬の食餌にカルシウムの供給がしつこいほど気にされる一方で、穀類と一緒に摂ったりカルシウムが供給過多になると亜鉛の吸収が阻害され供給不足に陥ることはあまり気にされていない。