優しさだけじゃない! セルフコンパッションが支えるドッグトレーナーと飼い主の「強さ」

文:北條美紀


[Photo by Piermario Eva]

犬との生活は幸せの多いものであると同時に、さまざまな場面で根気と判断力を求められるなかなかハードな日々だ。それを再認識させてくれたのが、最近、相次いで目にした「ドッグトレーナーが抱く職業的ストレス、見過ごされているかもしれません」(尾形さん)と「子犬のピーピー鳴きにどう対処する?〜 日常生活における枠組み作り」(藤田さん)の二つの記事だった。それぞれの記事はテーマも違えば切り口も違う。でも、そこには以下のような大切な共通点があった。

① 「ドッグトレーナーが抱く職業的ストレス、見過ごされているかもしれません」にも出てきた「燃え尽き」とは、プロ意識や熱意、責任感の強い人が突然、意欲を失ってしまう状態をいう。特にドッグトレーナーの場合、犬だけでなく飼い主に対する共感的理解をも求められるようになったため、それに応えようと感情的ケアに邁進するような、「優しさ」要素の強い人ほど、「燃え尽き」や「共感疲労」などのネガティブな心理状態に陥りやすいという点だ。

これは、犬だけでなく飼い主の心理的サポートにまで気を回せてしまう熱意あるドッグトレーナーはもちろん、愛犬の将来を思ってしつけに励むあまり葛藤を抱えてしまう飼い主にも同様のことが言えるだろう。

② そして、そこを乗り越えて成果を手にする人には、「子犬のピーピー鳴きにどう対処する?〜 日常生活における枠組み作り」で藤田さんが示すような一貫した

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