文:藤田りか子
[Photo by Tim Riesner]
北欧に引っ越してからもう30年近く経つ。スウェーデンで犬と初めて暮らすようになり、当時、「へぇ〜」と感心したことがいろいろあったのだが、この間そのうちの一つが、ふと記憶に蘇った。
それは、愛犬をしつけていないとまるで子供をしつけてないように非難される、そしてしつけをしているかいないかのバロメーターを人々は特に「呼び戻し」に見出していた、ということであった。そんな考え方、当時日本にあっただろうか。いや、なかったよな〜。そして今でもあまりないように思える。
スウェーデンなら呼び戻しで犬が帰ってこなかったりすると、すぐに横から責めるようなコメントが飛んでくる。
「ちょっとあなた、自分の犬、ちゃんとしつけているの?」
この社会的プレッシャーが普通に存在するから、飼い主となった以上、まずは誰もがパピー教室に通う。その結果犬の知識が庶民に広く普及する。
動物と付き合うとは
「動物と付き合う」ということに関して、