文:藤田りか子
[Photo by Felix Horn]
アスレチックな犬と暮らしている方ならこの悩みはわかってくれるはず。我が犬の歩様がちょっとでも破行の兆候をみせたりすると
「もしや…!」
と肘関節形成不全の一つであるOCD(離断性骨軟骨炎、通称関節ネズミ)を疑ってみたりと一気に気持ちがどよ〜んと落ち込んでしまう。なにしろうちのラブラドール・レトリーバーたちはアクティブに過ごすことこそ、犬生の意義と考えている。にもかかわらず走るときに跛行を見せるほど痛みを感じなければならないなんて、彼らにとっては酷である。もちろんそのような状態の犬をドッグスポーツに出すことはスウェーデンでは倫理的にも許されないし、練習がお休みになるのも言うまでもない。
フィールド系ラブラドール・レトリーバーのアシカは、3歳の頃前脚の破行を見せた(こちらの記事「スポーツドッグにフィジオセラピーのすすめ」にも少し書いているので読んでみてね)。ありがたいことに破行の原因は筋肉の炎症であり、肘関節の問題ではなかった。フィジオセラピストと獣医クリニックに通いながら完治することができた。
フィジオセラピストのJさんは
「フィールド系のラブねぇ。この犬たちは本当に故障がおおいのよ〜。特に前脚。競技会で競っているレトリーバーがクライアントとしてくると、たいてい異常があるのは前脚なんです。でも治す部分は前脚じゃなくて後ろ脚なんですけどね。」
と話してくれたものだ。これはフィールド系ラブが回収のスポーツに従事していることと実は大いに関係している。そのことを証拠づける研究論文が2016年にも発表されている。この論文のダイジェスト記事を書いた尾形聡子さんは「ダミーの重さに注意!レトリーブトレーニングをするとき」(非公開記事)にて以下のように述べている。