文:藤田りか子
[Photo by Gajus]
飼い主の「毅然さ」とは?
アメリカの有名なドッグトレーナー、シーザーミランが「飼い主は穏やかで毅然な態度を保つべし」とよくそのテレビ番組で言っていた。彼のトレーニング方法を好きかどうかは別として、「毅然」という言葉遣いはとてもいいなと思った。
でも「毅然」ってなんなのだろう?!わかるようで、その実わかりにくい。犬に対して怒ることと、解釈されがちだけど、でもそれとはちょっとニュアンスが違う。なにしろ、「穏やかで」という言葉と相反することになる。
「穏やかで毅然な態度」に相当する言葉は、筆者が住むスウェーデンでは飼い主の「決断をする役割」「安心を与える役割」として解釈されていると思う。これについてはドッグトレーナーで動物行動学の博士号を持つケント・スバットベリーがよい説明をしてくれている。ここで彼の提唱する「TSBモデル」について紹介したい。このモデルはスウェーデンの多くのドッグトレーニングクラブで採用されており、飼い主と犬との関係性を学ぶために作られた基礎セオリーとも言える。
TSBモデルでは