トレーニング中のディストラクション、犬の学習への影響

文:尾形聡子


[photo Mitchell Orr on Unsplash]

藤田りか子さんのトレーニングにまつわる記事によく登場する言葉、「ディストラクション(distraction)」。ディストラクションは「気を散らせるもの、注意散漫にするもの」という意味を持ちます(似たような綴りのdestruction(破壊)と間違えないようご注意を)。この「ディストラクション」という言葉は普通の生活をしていたらあまり耳にすることはないかもしれませんが、犬のトレーニングを行う上でのポイントのひとつとなるものです。

ディストラクションは犬が何かを学習する際に、目標とする行動をどこでもどんな状況でもできるようにするために慣らし、さまざまな外部刺激に「馴化」するためのトレーニングで使用されます。たとえばつい先日の藤田さんの記事「待機ケージで吠えまくる犬とパッシブトレーニング」の最後にも、

そして待機ケージまわりの環境も最初は、静かな場所、その後徐々にディストラクションを入れながら、最後は街やドッグランの周りに車を止めてそこで待機ケージの中に止まってもらうというような練習を!

という記述があったのが記憶に新しいところです。トレーニングのセオリーとして、「犬が何かを学ぶ最初こそディストラクションのないところで行う」ということについても、藤田さんの記事に何度も書かれてきていることです。

さて、このディストラクションを使用したトレーニング方法は

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