文:五十嵐廣幸
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「一生懸命介護して偉かった」
「がんばって長い間面倒みていた」
寝たきりになった老犬を介護してきた飼い主を友人たちが褒めていた。こんな風に飼い主の苦労や努力ばかりに焦点が当てられ、それらを称える日本における老犬介護のあり方に疑問を感じている。確かに飼い主は大変な愛情と労力をはらって介護をしているのはわかる。けれど本当に犬のためになっているだろうか。もしや飼い主の自己満足に過ぎないのでは…?と私はふと思わずにはいられなかった。
自ら食べたり歩いたり、排泄さえもできなくなった寝たきりの老犬をケアすることは、飼い主の愛情や責任感からの行動であるのは間違いない。ただ、介護によって生かされている状態ともいえる犬は、それを本当に「してほしいこと」と思っているのだろうか。そのような状態で死を待たせる