「犬は人より先にドアを出てはいけない」論に一理あるわけ

文と写真:藤田りか子

“人は犬より下に見なされる”

アメリカの犬の飼い主やトレーナーの間で80年代に流行した「パックリーダー論」とか「アルファ論」は、いまだに日本で語られていたりする。ベッドやソファに犬を寝かせたら、ご飯を人より先に食べさせたら、玄関で犬を人より先に出したら….そう、「人は犬より下に見なされる」というやつだ。

我が家では犬3頭がベッドでふんぞりかえって寝ているし、朝散歩の後も私より先にご飯を食べる。犬に食事を与えほっと一息したあとこそ、我々の番。コーヒーを飲みながら朝ごはんをゆっくり食べる。1日の中でも結構幸せなひとときだ。だが我が家で犬たちがアルファシンドロームを見せて人を震え上がらせたことは一度もない。それどころか、私は犬とドッグスポーツの競技会に出ているし、彼らはきちんとパフォーマンスをこなしてくれる。我々は一つのチームとしてうまく機能している。

犬は誰が上で誰が下か、を意識して人と関係を結んだりしない。彼らにとっては「いっしょに楽しいことをしたね」の意識が全ての基本となる。とはいうものの、もうすぐ6ヶ月齢になる若犬ミミチャンに対しては、今のところ「私より先に出てはいけない」ルールを貫いている。これは

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