炎症性腸疾患と子犬の食事の関係、生食それともドライフード?

文:尾形聡子


[Photo by
Yvonne Larsson]

家庭犬は自分で食べるものを選べません。すべては飼い主の選んだものを、与えられる分だけ食べて生活しています。健康に影響を及ぼす環境要因はいろいろありますが、その主たるもののうちのひとつに食べ物が挙げられるでしょう。愛犬への食べ物を選ぶ際に気になってくるのがお腹の調子。人において、健康長寿と腸の健康との関係注目が集まる昨今、犬においても同様に、食事は腸内環境に影響して腸の健康を左右する(腸内細菌叢の変化)と考えられています。

お腹の調子を崩しやすいかどうかには「体質」が関係してきますが、急激な気温や気圧の変化、環境の変化などによる一過性のものもあれば、アレルギー反応や感染症などで下痢をしてしまう場合もあります。そして、原因がわからないままに軟便や下痢を繰り返すこともあります。そのような原因不明の慢性的・再発的に繰り返される軟便や下痢の症状をあらわす犬の中には、炎症性腸疾患(IBD)という病気に罹っている場合も少なくないようです。

犬の炎症性腸疾患(IBD)は、人のIBD(潰瘍性大腸炎・クローン病)とは異なります。獣医学では「消化管粘膜の炎症病変を特徴とする特発性で慢性の胃腸疾患群」と定義されているそうです(東京農工大学獣医内科学研究室より。IBDについて詳しくはリンク先の説明文をご覧ください)。診断には病理細胞学検査が必要で、治療すれば多くは症状を改善できるものの、再発を繰り返しまうケースもあるそうです。

IBDは多因子性疾患(環境要因と遺伝要因の両方が影響して発症)と考えられています。遺伝的要因が関係してくるため発症しやすい犬種がいます。

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