ダミーをくわえて保持できない犬のためのトレーニング -「逆誘惑トレーニング」その2

文と写真と動画:藤田りか子

「にんじんをくわえてみたよ!」。きちんと保持できるようになれば、ほら、この通り、野菜だってバリバリとかまずにカメラに向かってポーズを決めることもできる!

物品保持も逆誘惑トレーニングで

オビディエンスやガンドッグスポーツをやっている人の悩みで多いのが、犬がダンベルやダミーをきちんと口でくわえて保持できないというもの。一応くわえるにはくわえるのだが、すぐに口からぺっと吐き出してしまったり、クチャクチャ噛みながらこちらにやってきたり。どうでもいい「些細」な問題に聞こえるかもしれないが、競技会を目指す者としては、このような行動の1つ1つが失点に繋がるがゆえに、無視できないディテール。いや、インスタ映えを狙う人にとっても、やっぱり保持は大事。お花を口にくわえて可愛くポーズをきめてもらえば、すてきな画像ができる。それにはカメラの前でせめて5秒はそのままの状態を維持して欲しい。

ダンベルをきちんと保持してもらいながら停座。さっとこなす犬もいれば、なかなか覚えられない犬もいる。後者の場合、トレーニングがなかなかてこずるものだ。

きちんと物品を保持するためには、前回お話した逆誘惑トレーニグを利用するのがおすすめだ。

もっとも物品保持には、いろいろな練習がある。以前一緒に暮らしていたレオンベルガーのクマには、クリッカートレーニングで物品保持を教えたものだ。彼女にはものをくわえたい、という意欲があまりなく、回収の行動を教えるのにそれはそれは苦労をした。かれこれ20年前の話だが、その頃ちょうどクリッカートレーニングなるものがスウェーデンに紹介され、藁にもすがる気持ちでこの方法に飛びついた。なんといっても「褒めて強化する」というコンセプトが気に入った。無理やり口にいれて保持させる、というトレーニングはクマのような「のんびり大型犬」には全く合わなかったのだ。クリッカートレーニングの元祖ともいうべきカレン・プライアーの「Don’t Shoot the dog!」という本を片手にシェーピングについて学びながら、ステップバイステップでクマに教えた。5ヶ月後ではあるが、なんとレトリーバー並みに上手に回収をする犬になった。

だが今だからこそ言うけれど、私とクマのケースに関する限り、クリッカーでの物品保持トレーニングはそれなりに時間を費やした。物品が口に入る、入ったら歯が物品をつかむ、つかむだけではなく1秒保持、2秒保持、そして3秒、5秒と伸ばしていく…と1つ1つのことをクリアするたびにクリッカーをならし気長にトレーニングをしなければならない。時には同じところで停滞して、なかなか次に進まないこともあった。

もう少しサクサクとトレーニングをすすめたいのであれば、やはり「逆誘惑トレーニング」が個人的にはいいと思う。このトレーニング法がスウェーデン(筆者の住む国)でポピュラーになり始めたのがおよそ5〜6年前ぐらいなのだが、物品保持を教えるのにとても効果的で、それ以来多くのトレーナーがこの方法を使っている。もちろん成功率は犬個体にもよるだろうし、ハンドラーの腕にもよる。

実践してみよう!

前回のブログで逆誘惑トレーニングの導入を紹介しているので、まずはそちらをマスターされたい。そして以下の動画を参考にしてトレーニングにトライしてみよう。出演は我が愛犬のラッコ。彼にはダミーをくちゃくちゃさせながら保持するという悪い癖がある。それを取り除くための練習だ。

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